【必見】郡山で新築を建てる際の地盤調査と対策について建築会社が解説

郡山市で新築を検討する夫婦の画像


新しくマイホームを建てようとするとき、「土地の地盤が弱いと家が傾くのでは?」「地盤調査って本当に必要?費用も高そう…」と不安に思われる方も多いでしょう。


特に郡山市のように過去に大きな地震を経験した地域では、地盤沈下や液状化といった言葉を聞くだけで心配になりますよね。結論からいうと、安全な家づくりのためには地盤調査は欠かせません。


地盤が弱いまま家を建てれば、時間とともに地盤沈下が起きて建物が傾いたり、地震時に倒壊のリスクが高まったりする恐れがあります。


本記事では、なぜ地盤調査が必要なのか、その方法や費用、調査結果に応じた具体的な地盤対策(地盤改良工事)について、郡山市の地域特性も踏まえて建築会社の視点から分かりやすく解説します。


郡山で新築を考えている30代のご夫婦の皆様に、安心して家づくりを進めていただけるよう、プロの知識とアドバイスをお届けします。


新築前に地盤調査が必要な理由とは?


地盤調査の必要性を説明する画像


地盤調査とは、建物を建てる前にその土地の地耐力(地盤の強さ)や地質を調べる調査です。日本は地震が多発する国であり、郡山市でも2011年の東日本大震災をはじめ強い揺れに見舞われた経験があります。


どんなに丈夫な建物を建てても、土地の地盤が軟弱であれば建物全体が地盤に支えきれず沈み込んだり傾いたりする危険性があります。


実際、軟弱な地盤にそのまま家を建てると、建物の重みに耐えられず地盤沈下や傾きが生じ、耐震性も損なわれてしまいます。


これを防ぐために、建築前には必ず地盤調査を行い、必要に応じた対策を講じることが重要なのです。


法律上も事実上必須に


地盤調査が義務化された背景の画像


かつては地盤調査をするか否かは任意でしたが、2000年の建築基準法改正以降、戸建住宅でも地盤調査は事実上義務化されています。


新築住宅を建てる会社は、「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」に基づきお引き渡しから10年間、住宅の構造部分の瑕疵担保責任を負う義務があります。


そのため加入が必要な住宅瑕疵担保責任保険では、地盤調査を実施していない住宅は保険の対象外となってしまいます。


つまり法律面・保障面から見ても、現在ではほとんど全ての新築住宅で地盤調査が行われているのが実情です。


地盤調査をしないとどうなる?


地盤調査を怠った場合のリスクを示す画像


もし仮に地盤調査を実施せずに家を建ててしまうと、以下のような大きなリスクがあります。


不同沈下のリスク


地盤の強さが不明なままだと、家の一部が沈下して建物が傾く恐れがあります。時間の経過とともに土台や構造にゆがみが生じ、ひび割れや建具の不具合など深刻な問題につながります。


耐震性の低下


地盤が弱いままだと、地震時に建物が過剰に揺さぶられ、最悪倒壊の危険も。実際、地盤が沈下すると建物に偏った負荷がかかり、構造の耐震性が著しく低下します。


保証が受けられない


前述のとおり、地盤調査をしていないと住宅瑕疵保険に加入できず、万一重大な欠陥(不同沈下で基礎が壊れる等)が起きても補償を受けられません。


将来的な修繕費用増


地盤由来の不具合は後から改修するのが非常に困難です。最初に適切な調査・補強をしておかないと、後で家を持ち上げて地盤補強するような大掛かりな工事が必要になり、莫大な費用が発生しかねません。


このように、地盤調査を怠ることは家と暮らしの安全性に直結するリスクを伴います。安心して長く住み続けるためにも、新築前の地盤調査は「必須のステップ」と言っても過言ではありません。


郡山市のように内陸部でも大きな地震被害を経験した地域では、なおさら慎重に地盤を確認しておくことが大切です。


新築時に行う地盤調査の方法と費用目安


一般的な地盤調査の方法を紹介する画像


では具体的に、新築住宅を建てる際にはどのような地盤調査が行われるのでしょうか?


一般的な戸建て住宅では、大きく分けて「スウェーデン式サウンディング試験(SWS試験)」と「ボーリング調査(標準貫入試験)」の2つが多く採用されています。


敷地条件や建物規模によっては他の調査法が用いられることもあります。それぞれの特徴や所要時間、費用の相場を見ていきましょう。


スウェーデン式サウンディング試験(SWS試験)


スウェーデン式サウンディング試験の様子を示す画像


【スウェーデン式サウンディング試験】(※2020年のJIS改正で名称が「スクリューウエイト貫入試験」と変更)は、一般的な木造住宅の地盤調査で最もよく使われる方法です。


先端がスクリュー状のロッド(棒)を地面に垂直に差し込み、一定の重り(荷重)を段階的に載せてねじ込んでいきます。


重りの重さやロッドを回転させる回数から地盤の硬さ(抵抗値)を測定する仕組みで、住宅の四隅と中央の計5ポイント程度で調査を行うのが一般的です。


住宅会社が専門の地盤調査会社に委託して実施するケースがほとんどで、調査自体は半日から1日ほどで完了します。


メリット


他の方法に比べて調査費用が安価な点が大きな利点です。費用は一般に5~10万円程度で済み、短時間で結果の速報値も得られます。


住宅規模の小さい木造住宅であれば十分な精度が得られるため、広く採用されています。


デメリット


簡易な方法ゆえ、調査データの精度がやや劣る点です。特に軟弱層が深い場合や特殊な地形の場合、正確性に限界があります。


そのため大規模な建物や地下室を伴う住宅などでは、この方法だけでは不十分でボーリング調査が必要になるケースもあります。


ただし一般的な戸建てではまずSWS試験で問題ありません。


≪豆知識≫ 結果の報告書には、地盤の硬さを示すN値換算や「ストン」といった表記が現れます。


「ストン」は自沈層といって、ロッドに荷重をかけただけで抵抗なく沈み込む非常に軟らかい層を意味します。報告書に「ストン」とあれば軟弱地盤の可能性が高く注意が必要です。

もっとも、専門的な判断は施工会社や地盤の専門家が行いますので、報告書を受け取った際には分からない点を遠慮なく確認すると良いでしょう。


ボーリング調査(標準貫入試験)


ボーリング調査の様子を示す画像


【ボーリング調査】は、機械で地面に深い穴を掘り進め、土のサンプルを採取しながら地盤の強度や地質を詳しく調べる方法です。


標準貫入試験(N値試験)とも呼ばれ、所定の重さのハンマーを一定高さから落として、地中のサンプラー(筒)を30cm貫入させるのに要した打撃回数(N値)によって地盤の硬さを評価します。


地質断面を直接確認できるため、地盤構成や支持層の深さが明確に分かるのが特徴です。


調査には専用の重機が必要で、敷地内の1~数か所を掘削します。深度にもよりますが、調査に数日間かかり、試料の分析を経て結果報告書の完成までさらに日数を要するのが通常です。


メリット


SWS試験と比較して精度が高く信頼性のあるデータが得られます。


地盤中の土質や地下水位、支持地盤(硬い層)が何メートルにあるかなど詳細に把握できるため、重量のある建物(鉄筋コンクリート造や大型建築)では必須の調査手法です。


郡山市のように場所によって地盤のばらつきが大きい地域でも、ボーリングをしておけば安心感があります。


デメリット


費用が高額で時間もかかる点です。木造住宅でボーリング調査を行う場合、費用は20~30万円程度とSWS試験に比べて数倍になるのが一般的です。


調査箇所も木造住宅なら1~2か所程度に限られます(大規模建物では5か所以上実施することもあります)。


費用・工期の負担が大きいため、通常は地盤が極端に軟弱でSWS試験だけでは判断が難しい場合や、3階建て以上の建物、地下室を造る場合などに限定して行われます。


一般的な2階建て木造住宅の場合は、まずスウェーデン式サウンディング試験の結果を見て、必要に応じて追加でボーリングを検討する形になるでしょう。


その他の地盤調査方法


その他の地盤調査方法を示す画像


上記2種類が代表的ですが、場合によっては別の調査法が採用されることもあります。


表面波探査法


地盤表面で人工的にわずかな振動(小さな擬似地震)を起こし、その表面波の伝わる速度を計測・解析することで地盤の硬さや層構造を調べる非破壊の方法です。


掘削を伴わず短時間で調査できるメリットがあり、深さ10m程度までの地盤を高精度に推定できるとされています。


費用は8~12万円程度とされ、調査自体は数時間〜1日で完了します。


平板載荷試験


地面に直径30cmほどの円板(プレート)を設置し、上から荷重をかけて地盤がどれだけ沈むかを測定する方法です。


主に浅い地表部分の地盤支持力を直接確認するのに用いられます。費用目安は8~20万円ほどですが、建物の四隅すべてで行うと手間がかかるため、戸建住宅ではあまり一般的ではありません。


いずれの方法も地盤調査会社の専門スタッフが行い、調査後には「地盤調査報告書」が作成されます。


報告書には地盤の構成や各層の支持力、地耐力の判定、そしてその土地に地盤改良工事が必要か否かといった結果がまとめられます。


調査の段階で問題が見つからなければ理想的ですが、仮に「このままでは建物の重さに地盤が耐えられない」と判断された場合には、次に説明する地盤改良工事(補強工事)で対策を施す必要があります。


地盤調査の結果に応じた地盤改良工事(地盤対策)の種類


地盤改良工事の種類を示す画像


地盤調査の結果、「軟弱な地盤である」「地耐力が不足している」と判明した場合には、地盤改良(補強)工事を行って地盤を強化しなければなりません。


地盤改良工事とは、その土地の地盤を文字通り「改良」して、建物を安全に支えられるようにするための工事です。


方法はいくつかありますが、戸建住宅で一般的に採用される地盤改良工法は主に3種類です。


表層改良工法(浅い部分の地盤改良) 柱状改良工法(コンクリート柱による補強) 鋼管杭工法(鋼製の杭による補強)


それぞれ地盤の弱い層の深さや土地の状況に応じて使い分けられます。調査を担当した地盤の専門会社や住宅会社の判断で、「最適な工法」が選択されます(※工法はこちらから指定することはできません)。


以下に各工法の仕組みと特徴、目安費用を解説します。


表層改良工法


表層改良工法のイメージを示す画像


表層改良は、地盤の表面付近に軟弱な層がある場合に行われる工法です。


具体的には、建物を建てる部分の地盤を約1~2mほど掘削し、そこにセメント系の固化材(固まる材料)を混ぜ込みながら埋め戻して、地盤そのものを固めてしまう方法です。


文字どおり地表の土を改良するので「表層改良」と呼ばれます。住宅の基礎の下の地盤を面で補強でき、軟弱層が浅いケースで効果的です。


適用範囲


軟弱な層が地表から約2m以内の比較的浅い場合。郡山市内でも、盛土造成地など浅い部分だけ軟弱なケースではこの工法が用いられます。


工期・施工


小型の重機で施工可能で、工期は1~2日程度と短く済みます。狭い敷地や隣家の近い現場でも対応しやすいです。


費用相場


建物規模20坪(約66㎡)程度の場合で約50万円が目安です。3種類の中では最も割安な工法と言えます。


メリット


施工が簡単で短期間かつ低コスト、また地質を選ばず様々な土質に適用しやすい点です。


改良後も地中に人工物(杭)が残らないため、将来撤去する際の障害物が少ないという利点もあります。


デメリット


軟弱層が深い場合には対応できないことです。2mより深い位置に柔らかい地盤が続く場合、この方法では十分な支持力を確保できません。


その場合は後述の柱状改良や杭工法に切り替える必要があります。また粘性土(粘土質の地盤)では固化材と土を均一に混ぜにくく、ムラが生じると強度不足になるリスクが指摘されています。


施工者の技術に左右される面があり、不適切な施工は不同沈下の原因にもなりかねません。さらに、掘削土を処分するため残土処理費用が別途発生する点も留意が必要です。


柱状改良工法


柱状改良工法のイメージを示す画像


柱状改良は、柔らかい地盤が比較的深い層(2~8m程度)まで及ぶ場合に採用される工法です。


専用の掘削機で地中に直径60cm前後の縦穴を複数あけ、そこにセメントミルク(セメント系固化剤と水の混合液)を注入・攪拌して土と混ぜ合わせ、地中にコンクリート柱状の杭(改良体)を形成するものです。


建物の配置に合わせて碁盤目状に複数本の柱を造り、地盤を面で支えるイメージです。戸建住宅で最も広く採用されている補強方法で、重量の大きなビルやマンションでも用いられる確立された工法です。


適用範囲


表層~中深度(およそ2~8m)の軟弱地盤に対応します。郡山市でいうと、かつて田んぼだった土地や川沿いの沖積層で軟弱層が数メートル続く場合などに適しています。


工期・施工


戸建住宅の場合、工期は2~3日から1週間程度が目安です。改良柱の本数や深さによって日数は変動します。施工には重機を用いるため、それなりの作業スペースが必要です。


費用相場


建物20坪規模の場合で約100万円が一つの目安です。軟弱層が深かったり柱本数が多くなると費用は比例して高くなります。例えば柱の長さが倍になればコストもおおむね倍増します。


メリット


地中深くまで補強でき、戸建からビルまで幅広い建物で実績豊富な工法のため安心感があります。


固化材と原地盤土を混ぜる方式なので、地中に埋設物(古い基礎の一部など)が多少あっても砕いて巻き込める点も利点です。


デメリット


施工後、地中にコンクリート柱が残るため将来撤去が難しいことがあります(一般的に問題になるケースは少ないです)。


また固化不良のリスクは小さいものの、地下水位が高い土地ではセメントが十分固まらず強度が落ちる場合もあり、注意が必要です。


費用面では表層改良より高額になるため、予算計画へのインパクトが大きくなります。


鋼管杭工法


鋼管杭工法のイメージを示す画像


鋼管杭工法(小口径鋼管杭とも)は、鋼製の杭(パイル)を地盤に打ち込んで建物を支持する工法です。


先端が尖ったスクリュー付きの鋼管杭を回転させながら圧入していき、建物の荷重を支えます。


硬い支持層に届くまで杭を挿入できるため、軟弱層が非常に深い場合でも対応しやすい点が最大の特徴です。


戸建住宅では20m程度の深さまでの補強で使われることが多く、柱状改良では届かないような深部の軟弱地盤にも有効です。


また改良体(杭)の直径が柱状改良より小さいため、狭い隙間にも施工できる柔軟性があります。


適用範囲


軟弱層が極めて深い場合や、支持層までの距離がある土地に向いています。例えば郡山市内でも、旧河道や沼地跡で10m以上軟弱な粘土層が続くような場所では鋼管杭が選択されることがあります。

また3階建ての重量鉄骨住宅など建物自体が重い場合にも、より強度の高い杭工法が適しています。


工期・施工


工期は1~2日程度と比較的短期間で完了します。油圧式のパイル打ち機を使って杭をねじ込むため、打設時に振動・騒音が発生する点には留意が必要です。


ただし昨今は低騒音型の機械もあり、都市部でも多く施工されています。


費用相場


1本あたり数万円する鋼管杭を複数本使用するため、費用は改良範囲や本数によりますが100~200万円程度になる場合が多いです。


柱状改良と同程度から、状況によってはそれ以上のコストを見込む必要があります。


メリット


深さ30m程度まで地盤補強が可能で、他の工法では対応できないような軟弱地盤にも適用しやすい点が大きな強みです。


また施工のばらつきが少なく品質が安定しています。柱状改良のように土とセメントを混ぜる工程がないため、土質に左右されず確実に設計通りの支持力を発揮できるのが鋼管杭の利点です。


さらに狭小地での施工も可能で、増改築時の部分補強などにも柔軟に対応できます。


デメリット


前述の打設時の騒音・振動が挙げられます。近隣住宅との距離が近い場合は事前説明や防音対策が望まれます。


また地中に金属杭が残るため、将来的に撤去や他の構造物の妨げになる可能性はわずかながらあります(一般的な住宅では問題になることはほとんどありません)。


費用は3工法の中で最大になりやすく、特に長い杭を多数打つ場合はコスト高となります。


なお、鋼管杭工法と似た「既製コンクリートパイル工法」も住宅によっては採用されます。


これは工場製造されたコンクリート製の杭を打ち込む方法で、鋼管杭同様に深い支持層まで到達可能で高い支持力を得られます。


土質に影響されず確実な補強ができますが、鋼管杭に比べ杭自体が太く重いため、十分な作業スペースや大型重機が必要になります。


戸建住宅では小口径の鋼管杭が使われるケースの方が多いでしょう。


地盤改良工事の費用イメージと注意点


地盤改良工事の費用に関する注意喚起の画像


地盤改良工事にかかる費用は、土地の広さや地盤の状態によって大きく変動します。


一般には建築費用全体の約5%程度を見込んでおくと良いと言われます。例えば2,000万円の建築費なら100万円程度が目安ということです。


ただし実際には軟弱層の深さ次第で費用は上下し、軟弱な層が深くなるほど工事費用も高くなる傾向があります。


そのため、事前にある程度の費用を予測して資金計画に余裕を持たせておくことが重要です。


幸い近年では、住宅会社から契約前に地盤調査をサービスで実施してもらえたり、周辺の地盤データを元に着工前に地盤改良費を概算してくれるケースもあります。


実際に地盤を調べてみないと確定はしないものの、土地を購入する段階で「この土地は改良が必要そうか」「改良するとしたら○○万円くらいかかりそうだ」と予測できれば、資金計画も立てやすく安心です。


また、多くの住宅会社では地盤調査から改良工事まで一貫して手配してくれます。調査・改良の専門会社と提携し、適切な工法を選定してくれるので心配はいりません。


さらに、万一不同沈下などが発生した場合に備えて地盤保証(サポート)制度を用意している会社も増えています。


例えばある住宅会社では、将来にわたって地盤の品質を20年間保証し、万が一不同沈下が起きた場合は無償で修復対応する「地盤サポートシステム」を採用しています。


このような保証が付くケースでは、改良工事後に第三者機関の検査を受けて保証書が発行されます。


地盤改良は決して安い工事ではありませんが、「長く安心して暮らすための必要な投資」と捉えて、信頼できるプロに任せることが大切です。


郡山市の地盤特性とハザードマップの活用


郡山市のハザードマップを示す画像


郡山市で新築を検討するにあたり、地域の地盤特性や過去の災害履歴も把握しておくと安心です。


郡山市は福島県中通りに位置し、市内には阿武隈川をはじめ大小の河川やかつての沼沢地が点在します。そのため、場所によって地盤の性質が大きく異なることがあります。


郡山市の揺れやすさと地盤傾向


郡山市の地震ハザードマップを示す画像


郡山市の地震ハザードを見てみると、阿武隈川沿いの低地や旧河川・沼地跡のエリアでは地盤が柔らかく、地震時に揺れやすい傾向があります。


一方で、市の西側(安積丘陵の端にあたるエリア)などは比較的硬い地盤で揺れにくいとされています。


具体的には、安積町・田村町・富久山町といった阿武隈川東岸~南岸の低地が揺れやすい地域として挙げられ、逆に喜久田町・富田町・大槻町方面(国道4号より西側の台地)は揺れにくい地域です。


これは、郡山市南部の安積平野は元々湖沼を干拓した田園地帯で粘土質の軟弱地盤が広がる一方、西部は岩盤に近い地層が浅いためと考えられます。


こうした違いは、新築住宅の地盤にも影響します。軟弱地盤の地域では表層改良や柱状改良が必要になるケースが多く、逆に地盤が安定した地域では改良工事なしでそのまま基礎工事に入れる場合もあります。


ただ、注意したいのは同じエリア内でも地盤の強さは一律ではないということです。


例えば郡山市内でも、隣り合った敷地で片方は支持層が浅くもう片方はかなり深い、という例も珍しくありません。


「西側だから大丈夫」「以前は田んぼだったから必ず弱い」と単純には言えず、実際に調査してみたらその土地だけピンポイントで弱かったというケースもあり得ます。


液状化ハザードマップの確認


郡山市の液状化ハザードマップを示す画像


地震時の液状化現象も地盤リスクの一つです。液状化とは、砂質土など水分を多く含んだ地盤が強い揺れで一時的に泥水のようになり、建物が沈下・傾斜する現象です。


郡山市は沿岸部ではないため大規模な液状化の心配は小さいですが、河川周辺では比較的液状化の可能性があります。


郡山市役所が公開している「液状化ハザードマップ」でも、50m四方ごとのメッシュで液状化危険度が色分けされています。


それによると、市内全般で液状化リスクは低めですが、阿武隈川の氾濫平野に位置する一部地域では注意が示されています。


実際、郡山市と隣接する須賀川市では東日本大震災の際に河川沿いを中心に液状化被害が多く発生しました。


郡山市内でも場所によっては地震時に地盤が沈下・噴砂(砂や水が吹き出す現象)した例があります。


こうした過去の事例から、自分が建てようとする土地が液状化しやすい地盤かどうかを事前に確認しておくことは有益です。


ハザードマップは市のホームページから誰でも閲覧・ダウンロードできますし、不動産会社や住宅会社に相談すれば該当エリアの資料を提供してもらえるでしょう。


土地の履歴や周辺環境もチェック


土地の履歴調査の重要性を示す画像


地盤は「その土地がこれまでどのように使われてきたか」と深い関係があります。造成前は沼地だった土地や盛り土造成地では軟弱地盤や不均一地盤の可能性が高いですし、逆に元から山林だった場所は地盤が安定しているケースが多いです。


郡山市でも、昭和期に大規模な圃場整備で造成された宅地や、開発分譲地になった場所では、周囲より地盤改良率(改良工事が必要になった率)が高い傾向があります。


そのため、ハザードマップ以外にも次のような方法で土地の地盤リスクを下調べしておくと安心です。


昔の地図や航空写真で土地の履歴を調べる 住宅地図や古地図、国土地理院の航空写真閲覧サービスなどで、購入予定地が昔は池だった・田んぼだった等の履歴を把握できます。


周辺の住民に聞く 近所に昔から住んでいる方がいれば、「この辺りで地盤沈下した話を聞いたことがありますか?」など尋ねてみるのも有効です。地元ならではの生の情報が得られるかもしれません。


近隣の地盤調査データを参考に もし近くで新築工事中の現場があれば、施工業者に頼んで地盤調査の結果(改良の有無)を教えてもらえる場合もあります。難しい場合は、依頼予定の住宅会社に過去の近隣データを照会してもらう手もあります。


もっとも、これらはあくまで「事前の目安確認」に過ぎません。どんなに周囲が問題なしでも、ピンポイントで自分の敷地だけ軟弱な地層が埋まっている可能性もゼロではありません。


逆に周囲は軟弱地盤地域だけれども自分の土地は支持層が意外と浅くて改良不要だった、というケースもあります。


最終的には地盤調査を実施しないと正確なことは分からないため、ハザードマップや事前情報で「大丈夫そうだ」と思っても、必ず調査は省略せず受けるようにしましょう。


地盤調査と対策はプロに任せて安心な住まいづくりを


専門家による地盤調査の様子を示す画像


安全・安心なマイホームを実現するためには、地盤という足元の安全確認が欠かせません。


郡山市での新築でも、地盤調査と結果に応じた地盤対策は必要不可欠です。法律上も求められる工程ではありますが、何よりそこをおろそかにすると後々の暮らしに大きな不安が残ってしまいます。


地盤調査や地盤改良工事には費用がかかりますが、長い目で見れば住まいの寿命を延ばすための重要な投資です。


地盤がしっかりしていれば、将来お子さんやお孫さんの代までその家に安心して住み続けることができます。


反対に、もし地盤対策を怠って家が傾いてしまったら、補修や建て替えに莫大な費用がかかるかもしれません。


専門的なことは全て建築会社や地盤の専門業者が対応してくれますので、分からないことや不安なことは遠慮なく相談しましょう。


調査方法や結果の説明をしっかり受け、必要な対策について十分納得した上で工事を進めることが大切です。


郡山市の地域事情に詳しい施工会社であれば、土地探しの段階からハザードマップ情報の提供や専門家によるアドバイスも期待できます。


最後に、地盤について心配な点があれば信頼できるプロの力を借りるのが一番です。私たち建築会社でも、郡山市および周辺地域の豊富な施工実績を踏まえ、地盤調査から適切な改良工事まで責任をもって対応いたします。


耐震性能の高い安心の住まいづくりは、まず足元の地盤の安心から。


ぜひ地盤のことも考慮に入れて、末長く快適に暮らせるマイホーム計画を進めてくださいね。

この記事を書いた人

代表取締役

遠藤 洋祐

2017年に先代より事業継承し、株式会社ウッディホームの三代目として舵取りを任される。郡山で61年以上、200棟以上の実績を通して、新築・建売・補助金の取得サポートなど家づくりに関わる全てに精通するプロフェッショナル。

保有資格:二級建築士(一級建築士事務所「都市建築企画室」開設者) / 既存住宅状況調査技術者 / 福島県地震被災建築物応急危険判定士
所属団体:福島県宅地建物取引業協会 / パナソニック ビルダーズ グループ